凱旋門賞の前哨戦3レースを検証(ヴェルメイユ賞、ニエル賞、フォワ賞)

海外競馬

2022年9月11日(日)にパリロンシャン競馬場で行われたアークトライアルデー。

ヴェルメイユ賞・ニエル賞・フォワ賞の着順、通過ラップをまとめました。

そして、挑戦する日本馬に何が必要なのか?

検証したいと思います。

着順

フォワ賞(QATAR PRIX FOY)
着順 馬名 タイム 上3F 着差 ゲート番 馬番 騎手 性齢 負担重量
1 イレジーン(IRESINE) 02:36.46 34.24   Mlle Marie Velon セ5 58.0㎏
2 バブルギフト(BUBBLE GIFT) 02:36.64 34.73 1 1/4 Gerald Mosse 牡4 58.0㎏
3 ベリーエレガント( VERRY ELLEEGANT) 02:36.66 35.01 T Christophe Soumillon 牝7 56.5㎏
4 ムタバイ(MUTABAHI) 02:37.28 35.25 4.5 Olivier Peslier 牡4 58.0㎏
5 ハイデフィニション(HIGH DEFINITION) 02:37.30 35.54 T Ioritz Mendizabal 牡4 58.0㎏
6 マイラプソディ(MY RHAPSODY) 02:39.14 37.23 12L 武豊(YUTAKA TAKE) 牡5 58.0㎏
ヴェルメイユ賞(QATAR PRIX VERMEILLE)
着順 馬名 タイム 上3F 着差 ゲート番 馬番 騎手 性齢 負担重量
1 スウィートレディ(SWEET LADY) 02:35.50 34.84   Gregory Benoist 牝4 59.0㎏
2 ライラックロード(LILAC ROAD) 02:35.52 34.59 T Tom Marquand 牝4 59.0㎏
3 ラパリジェンヌ(La Parisienne) 02:35.57 34.39 CTE Gerald Mosse 牝3 55.5㎏
4 チューズデー(TUESDAY) 02:35.76 34.43 1 1/4 Ioritz Mendizabal 牝3 55.5㎏
5 バイカラ(BAIYKARA) 02:35.87 34.84  3/4 Christophe Soumillon 牝3 55.5㎏
6 フォールインラブ(FALL IN LOVE) 02:36.11 34.68 1 3/4 Stephane Pasquier 牝3 55.5㎏
7 グランドグローリー(GRAND GLORY) 02:36.15 34.58 CTE Cristian Demuro 牝6 59.0㎏
8 アギャーヴ(AGAVE ) 02:36.43 35.17 1 3/4 Mickael Barzalona 牝3 55.5㎏
9 ヒストリー(HISTORY) 02:36.60 35.10 1.L Maxime Guyon 牝3 55.5㎏
10 ラブチャイルド(LOVE CHILD) 02:36.85 36.06 1.5 Olivier Peslier 牝4 59.0㎏
11 アルバフローラ(ALBAFLORA) 02:37.13 36.03 1.5 Rossa Ryan 牝5 59.0㎏
ニエル賞(QATAR PRIX NIEL)
着順 馬名 タイム 上3F 着差 ゲート番 馬番 騎手 性齢 負担重量
1 シムカミル(SIMCA MILLE) 02:32.81 37.25   Gregory Benoist 牡3 58.0㎏
2 ラッソー(LASSAUT) 02:32.94 36.99  3/4 Cristian Demuro 牡3 58.0㎏
3 トゥルーテスタメント(True Testament) 02:33.10 37.70 1.L Olivier Peslier 牡3 58.0㎏
4 ドウデュース(DO DEUCE) 02:33.46 37.31 2.L 武豊(YUTAKA TAKE) 牡3 58.0㎏
5 アイハル(AIKHAL) 02:34.72 38.98 8.L Ioritz Mendizabal 牡3 58.0㎏
6 ラストロノーム(L’ASTRONOME) 02:35.91 40.82 7.L Christophe Soumillon 牡3 58.0㎏
7 デピュティルーラー(DEPUTY RULER) 02:39.49 43.55 18L Clement Lecoeuvre 牡3 58.0㎏

通過ラップ

各レースの通過ラップ
レース 0m 1400m 1600m 1800m 2000m 2200m 2400m
フォワ賞 00:00.00 01:35.85 01:49.03 02:01.65 02:13.51 02:24.86 02:36.46
ヴェルメイユ賞 00:00.00 01:35.28 01:48.34 02:00.65 02:12.38 02:23.63 02:35.50
ニエル賞 00:00.00 01:30.34 01:42.63 01:55.09 02:08.01 02:20.11 02:32.81
各レースの1F計測タイム
レース 0m 1400m 1600m 1800m 2000m 2200m 2400m
フォワ賞 00:00.00 95.85(1F平均13.69) 13.18 12.62 11.86 11.35 11.60
ヴェルメイユ賞 00:00.00 95.28(1F平均13.61) 13.06 12.31 11.73 11.25 11.87
ニエル賞 00:00.00 90.34(1F平均12.91) 12.29 12.46 12.92 12.10 12.70
各馬の通過ラップ
勝ち馬/日本馬 0m 1400m 1600m 1800m 2000m 2200m 2400m
フォワ賞・イレジーン(IRESINE) 00:00.00 01:36.57 01:49.66 02:02.20 02:14.00 02:25.12 02:36.46
フォワ賞・マイラプソディ(MY RHAPSODY) 00:00.00 01:36.28 01:49.46 02:01.89 02:13.84 02:25.59 02:39.14
ヴェルメイユ賞・スウィートレディ(SWEET LADY) 00:00.00 01:35.28 01:48.34 02:00.65 02:12.38 02:23.63 02:35.50
ニエル賞・シムカミル(SIMCA MILLE) 00:00.00 01:31.19 01:43.27 01:55.54 02:08.01 02:20.11 02:32.81
ニエル賞・ドウデュース(DO DEUCE) 00:00.00 01:31.86 01:44.05 01:56.12 02:08.35 02:20.31 02:33.46
各馬の1F計測タイム
勝ち馬/日本馬 0m 1400m 1600m 1800m 2000m 2200m 2400m
フォワ賞・イレジーン(IRESINE) 00:00.00 96.57(1F平均13.80) 13.08 12.54 11.79 11.12 11.33
フォワ賞・マイラプソディ(MY RHAPSODY) 00:00.00 96.28(1F平均13.75) 13.17 12.42 11.94 11.75 13.54
ヴェルメイユ賞・スウィートレディ(SWEET LADY) 00:00.00 95.28(1F平均13.61) 13.06 12.31 11.73 11.25 11.87
ニエル賞・シムカミル(SIMCA MILLE) 00:00.00 91.19(1F平均13.03) 12.08 12.26 12.47 12.10 12.70
ニエル賞・ドウデュース(DO DEUCE) 00:00.00 91.32(1F平均13.05) 12.18 12.07 12.22 11.95 13.14

挑戦する日本馬に必要なもの

各馬の通過ラップを見ても明らかです。

日本馬は最後の1Fでバッタリ止まってます。

では、スタミナを付ければいいのか?

と言われるとそうではないと思います。

日本馬以外の外国馬すべてがスタミナタイプとは思いません。

しかし、日本馬だけはバッタリ止まる傾向が出ました。

仕上がり途上であったことを考慮しても止まりすぎです。

一番に必要になるものは欧州競馬の経験値だと思います。

9月11日(日)のレースを見ていて、同コース・同距離の前哨戦を必ず走った方がいいと思いました。

日本競馬はトラックコースで、スタートしてからのポジション取りが必要になります。
日本競馬の2F目の通過ラップが速いのはそのためです。

この日本競馬のポジション取り癖を出しては、スタートはゆっくり行く欧州競馬で無駄にパワーを使います。

日本馬が外国馬と同じようなリズムで前半を走れれば、後半の余力は違ってきます。

1度走ったことで、ドウデュースがどれだけ学習してくるか?

ここがポイントです。

賢い馬だと思っています。

最初はゆっくりなんだ、と思ってリズム良く運べれば、後半はもっと伸びます。

最後の1Fもバテません。

最後に

ニエル賞は調整レースだったので、本番は調子を上げることを期待できます。

学習による欧州競馬へのアジャスト、調子上向きが揃えば、ニエル賞のメンバーは逆転できるはずです。

また、各レースの通過ラップを比較するとおり、ニエル賞が最も厳しいレースになりました。

ロングスパートからスパートをかける消耗戦でした。

1600m~2000mまでの通過ラップを見ても明らかです。

そんな中、以下の不利な条件が揃う中でドウデュースの最後1F:13.14は、むしろ頑張っています。

  • パリロンシャン競馬場の芝2400mを初めて
  • リズムは良くない
  • 最後方に位置する
  • ほぼ終始一番外を回る
  • 調整レース

さすが日本ダービー馬と言えます。

この不利となった条件を本番の凱旋門賞までに、どれだけ克服できるか次第です。

ニエル賞を勝ったシムカミル(SIMCA MILLE)は力のある馬です。

レースレベルはニエル賞が最も高かったと言えます。

凱旋門賞当日の馬場条件、克服度合で十分に勝つ可能性はあります。